私共「一般社団法人全国鍼灸マッサージ協会」は、「鍼灸マッサージ師の新しい保険推進運動の創造、また患者様の権利、鍼灸マッサージ師の地位の向上、業務拡大」を理念として1986年に設立された団体「全国保険鍼灸師マッサージ師連合会(全国保鍼連)」を前身として活動しております。
「NPO法人(特定非営利活動法人)全国鍼灸マッサージ協会」「事業協同組合全国鍼灸マッサージ師協会」の設立から統合を経て、現在では会員数5000名規模の団体に成長しました。活動内容は「鍼灸マッサージの普及、啓蒙、推進」等多岐にわたりますが、その目的は一貫して「患者様が健康保険で差別なく治療が受けられる公平な医療を実現」であり、関係各所との交渉や裁判等により多くの成果を収めてきました。
しかし、現在においても鍼灸マッサージは健康保険の取扱いに多くの難題を抱えています。鍼灸マッサージ師の取扱う療養費は健康保険法や厚生労働省通知に翻弄され、運用においても不合理で様々な疑義が生ずる制度です。近年、国際的に科学的根拠の解明が進む鍼灸マッサージですが、明治維新を契機に非科学的とされた伝統医療に対する固定観念は、我が国の健康保険制度で根強く残っています。
また、高騰する国民医療費の削減に伴い、一部では適正化を曲解する鍼灸マッサージ療養費の排除に繋がる不当な取組みが発生しています。厚生労働省通知すら逸脱する悪質な差別行為は患者様や医師等との信頼関係を損なうばかりではなく、傷病に苦しむ患者様が治療を受けられない事態に発展します。
今後も「一般社団法人全国鍼灸マッサージ協会」は、関係各所との交渉等を積極的に進め、正当性と根拠に基づく潤滑な療養費の運用を求めます。患者様が最善と思われる医療を受ける権利を守り、患者様の立場に立った献身的な保険推進運動を継承し、鍼灸マッサージという伝統医療の発展を使命として活動してまいります。